ロッドバランスの重要性は?
近年の渓流ルアーフィッシングシーンではシンキングやヘビーシンキングミノーが主流になっています。そのため、それらルアーのウエイトに耐えられる設計が求められている感覚があります。ただし、ウエイトのあるルアーを扱うからといって、硬くパワーがあるだけのロッドでは、魚を掛けることができません。
特にシビアなフィールドでは掛けを重視した設計が必要になってきます。そのためロッドバランスは竿先にしなりを持たせ、バット部分にパワーを持たせたバランスのロッドが現在の主流となっています。
つまり、竿先でルアーを操作しやすく、バット部分にハリを持たせてキャスタビリティーを向上させる設計をすることで、主流のヘビーウエイトルアーに最適なアクションになる。キャストから始まるロッド操作、魚を掛ける、その後のファイトまでの一連の動作がスムーズに行えます。
ロッドのアキュラシーとは?
アキュラシー性とは正確性のことを指します。つまり、キャスタビリティーの高い投げやすいロッドということ。渓流ではルアーをいかにコントロールしてピンポイントに入れ込んでいけるか、ということが重要になります。
一般的に投げやすいのは全体的にハリのある竿とされていますが、竿を振った時のディップの振り幅が狭いため、竿の粘りを利用してキャストすることとができず。結局射程距離が短くなりがちです。これだと軽いルアーは投げにくいですね。逆に軟らかい竿は振り幅が広いので扱いにくく。ヘビーウエイトルアーを扱う際に曲がりすぎて、今度は投げにくくなってしまいます。その中間のバランスを持ったロッドが幅広いルアーに対応できるわけですが、自分のスタイルに合わせて使い分けたいですね。
エントリーロッドとハイエンドロッドの違いは?
エントリーモデルは様々なルアーのジャンルに対応できるよう、使い手を選ばない均等は性能のロッドになっています。対照的にハイエンドモデルは、コンセプトを追及した形のものになることが多く、使い手を限定されやすくなります。モデルごとの価格の差は使われている素材により異なり、ガイドだけをとってもステンレス素材かチタン素材かだけで差が大きくなります。
また、トラウトロッドでは銘木を使ったリールシートが採用されることが多く、その素材が貴重なものほど高価。ひと昔前までは、エントリー向けは軟らかく重たいものが多く、ハイエンドモデルは軽量でハリが強いものが多かったです。しかし、近年のミノーイングブームの影響か、どれもハリのあるシャキッとしたものが多くなりました。これも時代の流れでしょう。
エントリーモデルはキャストが容易なものがよいと考えています。軽量なルアーをいかに正確にキャストできるか。それこそが釣果に繋がると考えられます。
スプーン・ミノーにそれぞれに適したロッドは?
おおまかには、スプーン向けのロッドはレギュラーからスローの軟らかいロッド、ミノーにはファーストアクションの硬いロッドが向いていると言えます。しかし、これは状況やアプローチ方法によって変えていくべきです。例えば止水域の場合、軟らかいロッドが良いのですが、渓流など流れが発生する所ではアップとダウンで狙い方がまったく異なるので当然ロッド選択も変わってきます。
アップストリームでミノーを使う場合、全体的にハリが強いレギュラーアクションのものが良く。キャスト性能と操作性を重視しての選択です。スプーンの場合は、ややレギュラーファースト気味で流れを手元に感じやすいもの。ダウンストリームでミノーを使う場合は軟らかくレギュラーのロッドが良く、バットに力が残っている方がルアーの操作性が高くなるので、そういったアクションを選択します。ダウンのスプーニングであればミノーと同じものを代用します。
渓流ロッドの硬さのポイントは?
ロッド選びにおいて一番重要視してもたいたいのがキャスト性能です。そして、2番目がルアーの操作性。3番目にはバラしにくさを考えるべきでしょう。
例えば柔らかいロッドの場合、軽量なルアーのキャストが容易でありバラシにくい面がメリット。逆に硬いロッドは、水中にあるルアーの操作性が高くなる反面、キャスト性能とバラシやすさはアングラー次第ということなります。
状況別に解説すると軟らかいロッドは、湖など止水域でルアーの動きをスポイルしにくく、S字スラロームのようなナチュラルで不規則な動きを出しやすい。またダウンストリームにおいてもフッキング性能が際立ちます。硬いロッドの場合、アップストリームでヘビーシンキング系のミノーを使用した際、ダイレクト感のある操作が可能になるでしょう。
軟らかいロッドはダイレクト感が少なく、ルアーを操作していても違和感を抱いてしまいがち。また、硬いロッドでダウンストリーム中心に攻めると、バラシやすさに繋がります。何事もバランスが重要であり、状況に合わせてロッドの性能を引き出したいところです。渓流ロッドのベストの長さは?
多くのメーカーが基本レングスを5ft6inとしており、この長さがあれば幅広いフィールドに対応できるでしょう。ただし、ひと口に渓流と言っても上流部や下流部で川幅や対象魚の大きさが異なります。例えば川幅が1mくらいの渓流であれば、ポイントも狭くなり、覆いかぶさってくる木々を避けながらキャストしなくてはならないため、さらに短い5ft前後のレングスが最適でしょう。
また、中流域や下流域では本流と同様に尺を超えるサイズの魚が生息しており、川幅も10m、20mあるような場所もあります。ここでは7ft前後のレングスで遠投して狙うなどの工夫が必要ですね。様々なフィールドに対応できるよう長さの違うロッドを最低3本は車に積んでおくべきです。